今回は、最近読んでためになった本「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」を読んで得られた、「人生の時間をいかに効率的に、有効活用するか」ということを紹介していきまっす。
「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す神・時間術」概要
著者である樺沢 紫苑さんは精神科の医師です。医師の活動もしながら、本の執筆、メルマガやブログなどのWebメディアの更新、講演活動、月20冊以上の読書と書評公開、を行っているという、ざっと聞くと超人的な活動を行っている方です。その上で、睡眠時間は毎日7時間以上確保しており、決してプライベートや健康を犠牲にしているわけでもない生活をしてらっしゃいます。
こういった活動をできるためのカギが、本書で語られている「神・時間術」です。神・時間術を身につけることで、普通の人の何倍もの時間効率を生み出し、普通の人よりも多くの仕事をこなしながら、自由時間も多くとることを可能にしているとのことです。
本書で語られている基本的なテーマは、いかに効率的に集中力(=脳のパフォーマンス)を有効活用するかということです。それは、集中力を引き出しやすいタイミングを知ること、集中力を引き出す方法を知ること、集中力を回復させる方法を知ること、になります。
本書では、「朝に大事な仕事をする」や「仮眠をする」などのライフハック系でも有名な事項はもちろん、「運動による脳のパフォーマンスリセット法」や、「集中力が高い環境や意識の作り方」など、脳のパフォーマンスを出すための内容が多岐に渡って、かつ具体的に取り上げられています。
以下で本書のポイントを見ていきましょう。
「集中力」を高める時間管理
・人間の脳というのは、起きてから2、3時間は、脳が疲れておらず、さらに脳内が非常に整理された状態にあるため、脳のパフォーマンスが1日で最も高いのです。その時間帯は、「脳のゴールデンタイム」と呼ばれ、論理的な作業、文章執筆、語学の学習など、高い集中力を要する仕事に向いています。
・集中力が低いときに頑張って集中して、必死に仕事をこなそうというのは無理があります。 リズムに逆らうのではなく、リズムに上手に乗る。つまり、「集中力の波乗り」をすることが、集中力を最大限活用する仕事術の基本となります。
・人は追い込まれると、脳内でノルアドレナリンが分泌されます。ノルアドレナリンは、集中力を高め、学習能力を高め、脳を研ぎ澄まします。結果として、脳は最高のパフォーマンスを発揮するのです。
本書でも最大のトピックとなるのが、「いかにして、集中力が高い時間を作り出すか、その時間を有効活用するか」ということです。
人間には、集中力が高い時間帯と低い時間帯があるので、集中力の高い時間帯には、集中力の要する「集中仕事」(考える仕事、設計など)をする。逆に集中力の必要ない「非集中仕事」(メールや単純なデータ作業など)は、集中力が低下しがちなタイミングで割り当てましょう、という感じです。
また、集中力が高い状態は、人間の脳や意識の仕組みを利用して、意図的に作り出すことも可能。特にしっかりと時間を区切って作業することで、締切効果や集中力のリズムの活用などが述べられています。
人間に与えられた1日の時間は等しいですが、その使い方によって何倍もの効率を生み出せるということがわかります。
- 起床後がゴールデンタイムなのでそこで集中力が必要な仕事を行う
- ゴールデンタイムを通勤時間やメールチェックに費やしては有効活用できない
- ゴールデンタイム中は、集中力維持のため余計な情報を入れない努力をする
- 午後2~4時頃は生物学的にも最も覚醒度が低下し眠気が出やすい
- メールや単純作業などの非集中仕事は集中力の低い時間帯に配分する
- 人は追い込まれると、ノルアドレナリンがでて脳が研ぎ澄まされる
- 予定を入れるなどして、制限時間や締め切りを作ることで追い込んだ状況を作る
- 15分、30分、90分などの時間単位で区切ることで集中力管理
- 作業の始まりと終わり際は集中力が高まる。短い時間区切りで作業をすることでその回数を増やす
集中力を「リセット(回復)」する方法
・疲れる前に休む。それによって集中力を回復できれば、「集中力×時間」である「集中時間」の面積は広がります。
・脳を活性化させる最も簡単で即効性のある方法を1つ挙げろと言われたら、私は間違いなく「運動」と答えます。
・1日を2倍活用する方法、それは脳の究極のリセット法です。その方法とは、「運動をする」ということです。
・セロトニンを活性化させる方法は、「日光を浴びる」「リズム運動」に加えて、「咀嚼」も効果的なのです。
本書で最も著者が伝えたいことのひとつが、「運動による脳のリフレッシュ効果」ですね。神・時間術のタイトルのように、時間を他人以上に効果的に使うための、最大のカギは運動のようです。運動後には起床後のような爽快さが脳に戻るので、運動してない場合に比べて数倍のパフォーマンスが期待できるということです。
運動以外にも脳・集中力のリセット方法はいくつか述べられています。睡眠も非常に重要な要素で、仮眠によって脳のリフレッシュが可能です。
また、シャワーを浴びる、咀嚼する、日光を浴びる、などの行動で脳を覚醒させることが可能とのこと。そのため、寝起きから脳を働かせるには、朝シャワーや、散歩などが有効です。
重要なのは、こういった行動で脳のリフレッシュが可能なことを知り、脳が疲れきる前に意識的に集中力のリセット(回復)をしてあげることで、常に高い集中力を発揮できるように行動する、とのことです。
- 疲れる前に能動的に休むことで、全体的に高い集中力を出す
- 運動によるリフレッシュは集中力を高め、さらには記憶力、思考力などの脳機能もアップ
- 30分程度の有酸素運動によって、その直後から学習能力、モチベーションアップ
- 運動をうまく使うと、1日に2倍以上の時間効率を発揮できる
- 朝は、シャワー、日光を浴びる、散歩、咀嚼、で脳を覚醒できる。朝散歩はおすすめ
- 知らないお店での外食ランチで、脳の活性化が可能
- 25分程度の仮眠で仕事効率・集中力が回復、30分以上になると効果は低下しだす
- 休憩中にスマホを見るのは、脳を使っているため休憩になってない
- 仕事中でも「目をつぶる」ことで脳は休息できる。机に伏せるのも効果的
効率的な作業スキル
・「目標が達成されない未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」ということを明らかにしました。これは、「ツァイガルニク効果」と呼ばれています。
・未決を決断すると脳のワーキングメモリの節約となり、決断するまでの集中力を相対的に高める、つまり集中時間を創出していることになるのです。
・「集中空間」での仕事が習慣になると、脳がそれを記憶してくれます。ここは「集中して仕事する場所です」というようにです。そうなると、雑念も入らないし、脳も集中力を高めるようにコンディショニングしてくれます。
ここまで述べた効率的な時間管理や、集中力の回復だけでなく、作業環境や日頃の行動によっても脳のパフォーマンスは変わってきます。
集中力を妨げる要因の1つが雑念ですが、未完了のタスクや、未決定事項などがあると、そういった「未解決」な事項は脳に想起されやすく、集中力を高めることを害しやすいとのこと。そのため、決断は出来る限り早く行い、行動はすぐ起こす、ということが大事になります。未解決の雑念がある場合は、書き出すことで頭から追い払い、脳をすっきりさせることが可能です。
また、集中力を高めるには、行ったことのない新しい場所を使ったり、いつも集中ができている場所を使うといった、環境をうまく利用することも効果的です。
- 出来る限り早く決断する。迷いは後ほど決断し直すことであり時間の無駄が発生する
- 「直感」や「ひらめき」は正しいことが多く、60分悩んでも結果は変わらないことが多い
- 「今やる」「後回しにしない」ことで今にコミットして無駄な後悔を無くす
- 雑念は書くことで頭から追い払う
- 自分なりに集中できる場所を使う
- 新しい場所を使うだけでも脳は活性化する
- 集中作業を同じ時間に行って習慣化することで身体がリズムを覚える
人生を楽しく生きる「自己投資&リフレッシュ法」
・昼の「交感神経」(急)と夜の「副交感神経」(緩)が、緩急のリズムを作っています。つまり、夜のリラックス時間である「緩」の時間を持たないと、夜間の回復ができません。そして次の日に、100%のパフォーマンスを発揮できないということです。
・疲労は、筋肉や脳の同じ部位を反復させて、過剰に使うことによって生じる疲れのことです。 休日に普段と同じことをすると、身体も脳も余計に疲れます。ですから、休日は普段していないことをするのが、身体を休めることになり、脳を活性化させることになるのです。
・自分の「楽しい」瞬間がわかれば、その時間を増やせるように努力すればいいのです。グルメとか、旅行とか、パートナーと過ごす時間とかペットと過ごす時間とか、人によっていろいろ「楽しい」瞬間は異なると思いますが、純粋にその時間を増やせば、あなたの「楽しい」「幸せ」な時間が増えていき、あなたの人生の中で「楽しい時間」の占める割合は増えていきます。 それが、「楽しい人生」であり「幸せな人生」ということではないでしょうか。
ここまで挙げた、効率的な時間術を使って時間を有効活用できるようにするとともに、人生をいかに豊かにすごすかということについても触れられています。
脳にしても身体にしても、常に働きっぱなしではなく緩急をつけた生活をすることが重要で、休むべきときにはしっかり休みます。そうしないと、いずれ身体や心に支障をきたしてしまうのが人間というものです。そのため、睡眠の質にこだわったり、運動を取り入れたり、休日は特に普段とは違うことをしたり、といった休みの質をあげる意識も重要です。
また、人生を豊かにするためには、自分を成長させてくれるもの、熱中できるものに取り組むことが理想です。テレビを見るなど受動的な娯楽よりも、読書などの能動的な行動をすることで、余暇のなかでも集中力が自然と鍛えることも可能となります。さらに、それらをアウトプットすることで知識の定着化にも有効となります。
人生の中で自分がどういったことに取り組むかは、自分が「幸せ」「楽しい」と感じることを、なんとなくではなく意識的に把握することで見つかっていきます。その「幸せ」「楽しい」時間を増やすことで、幸せな人生、楽しい人生を送ることが可能となります。
- 休むべきときに休む。緩急をつけた生活をしてこそ健康が維持される
- 睡眠時間が短い場合、特に6時間以下では集中力は激しく低下する
- 睡眠2時間前には、食事、飲酒、激しい運動、熱い風呂、スマホ、PC、テレビなどをしない
- 寝る前に考えたことが、人の潜在意識を作る。寝る前には「今日あった楽しかったことを1つ思い出す」
- 運動により、免疫力アップ、細胞修復、アンチエイジングなど様々な効果が得られる
- 疲労は、筋肉や脳の同じ部位の反復で起きる。休日は普段とは違うことをする
- デスクワークが多い人は、休日に映画鑑賞や美術鑑賞で、感性や感情を刺激するといい
- 受動的な娯楽(TVなど)よりも、能動的娯楽(読書など)で集中力アップや自己成長する
- 読書などでインプットしたら、アウトプットをすることで知識が定着できる
- 熱中できる趣味を持ち、熱心に取り組むことで、仕事同様に集中量が鍛えられる
- 自分が何を「楽しい」「幸せ」と感じるかを意識的に知り、その時間を意識的に持つ
- その楽しい時間を増やすことができれば、それが楽しい人生、幸せな人生になる
まとめ
以上「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」のまとめでした。
ライフハック系が好きな方はご存知の知識もあったかもしれませんが、トータルして非常にためになる本でした。いかに効果的な時間管理をするか、そして集中力を回復させるという意識をもつこと、そうやって生み出した時間をどう活用するか、これらの意識を持たせてくれる有益な本だと思います。
僕自身、会社勤めをしながら、休日や夜は家族との時間や、趣味のテニスやゲームをしつつ、さらにこのブログを運営しながら、毎日7時間半以上は寝ています。著者ほどではないですが、いかに集中して効率的に仕事やブログを仕上げるかといった意識が日頃から重要と感じています。そういった意識への大きな助力となる本書。
興味を持った方は、是非本自体を読んでみてください。本記事で語り尽くせてない、人生を豊かにする効果的な時間術が多く載っています。
以上でっす。
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