外の情報も取り入れながら音楽等を聞ける「デュアルリスニング」、複数のボイスAIアシスタントでLINE送信などが可能な「様々な音声操作」、といった新しい形のイヤホン「Xperia Ear Duo」。
こちらの製品をしばらく使ってみたので、使い所とレビューをお伝えしていきまっす。
Xperia Ear Duoとは
まずは、Xperia Ear Duoの基本的な仕様・特徴を簡単に紹介していきましょう。
Xperia Ear Duoを一言でいえば、「ながら聴きができて、音声操作で様々なことも可能なイヤホン」です。スペックが以下です。
項目 | 内容 |
---|---|
製品名 | Xperia Ear Duo XEA20 |
メーカー | SONY |
価格 | 税抜き 29,980円 (税込 32,270円) |
発売日 | 2018/04/21 |
連続再生時間 | 最大約4時間 |
充電 | ・専用ケースで充電 ・電源なしで3回程度モバイル充電 |
Android向け対応 AIアシスタント | ・Assistant For Xperia ・Clova(LINE社) ・Googleアシスタント |
iOS向け対応 AIアシスタント | Siri |
機能・特徴 | ・デュアルリスニング(ながら聴き) ・複数のボイスAIアシスタント利用可 ・本体タッチパッド操作 ・うなずきなどのジェスチャー操作 ・定刻や場所に応じて通知 ・一部アシスタントの声が寿美菜子 |
※一部機能はiOSでは使えません
イヤホンは耳に装着するものの空洞となっており、周囲の音を聴きながら音楽等を聴ける「ながら聴き」を可能とする製品です。
ながら聴きができることで
- 音楽を聴きながら人に話しかけられても認識可能
- 音楽を中断することなく、簡単な受け答えが可能
- 車などの音も認識でき、歩行時・自転車時に安全
- 誰かと居る時でも、ずっと音楽を聴くことすら可能
といった、これまでイヤホン・ヘッドホンを外す必要があったシチュエーションで装着したままでいられるようになります。
また、もうひとつ大きな特徴がボイスAIアシスタントが搭載されており、音声操作で様々なことが可能という点です。
しかも、Andoroidの場合利用可能なAIアシスタントはなんと3種類。Xperia Ear Duo向けの「Assistant For Xperia」を基本として、「Googleアシスタント」、LINEの「Clova」も利用可能です。これにより例えば以下のようなことが可能となります。
- 「Assistant For Xperia」で様々なAndroidアプリと連動
- 「Assistant For Xperia」でMusicアプリを音声操作
- 「Googleアシスタント」で様々な検索やニュースを聞く
- 「Googleアシスタント」でPlayMusicやSpotifyを音声操作
- 「Clova」でLINEやLINE Newsなどと連動
- 「Clova」でLINE Musicを音声操作
このように、複数のAIアシスタントに対応することで、スマホやイヤホンを活かした使い方、GoogleやLINEの持つサービスを活かした使い方、と非常に幅広いことが可能となっているのも大きな特徴です。
以下でレビューとそれらの便利な使い方を見ていきましょう。
「Xperia Ear Duo」イヤホンとしてのレビュー
ますは、主にワイヤレスイヤホンとしての性能を見ていきましょう。
本製品は、通常のイヤホンとも使い所が異なる部分もあるので、単純に評価しづらい部分もありますが、簡単に確認してみましょう。
音質は普通、音質を求める製品ではない
まずイヤホンとして基本性能の音質は「悪くないが特段良いわけでもない」という印象です。
これは単純な音質だけでなく、デュアルリスニングというスタイルも影響しますが、カナル型イヤホンやヘッドフォンより音の密閉感も当然ないので、音楽をしっかり聴くという事自体がこれまでのイヤホンより劣るのは否めません。
イメージ的には、そこそこのミニスピーカーが耳元にあるような印象ですね。
ただ、「時間優先」か「音質優先」の各再生モードが選べるので音質優先にすることで多少良くすることも可能です。ただし、モード切替後は現状スマホとペアリングし直しが発生するため気軽に切替はむずかしいです。
何にせよ、価格に対して音質を求める類の製品ではないですね。以降で紹介する新しい音楽との付き合い方がメインでしょう。
つけ心地・固定感は上々
上写真のように、耳の下側につける装着方式です。
耳たぶを軽くはさみ込み、そして耳の穴にリングパッドでかるーく固定、といったイメージです。
あまりガッチリとした固定感はでないのですが、不思議と耳からは全然外れず安定して装着できます。重量感も少なく、長時間装着も可能です。
通勤時の歩行中はもちろん、自転車移動や、ジムでランニング中にも利用しましたが、外れるどころか特段ずれるということもありませんでした。
特殊な装着方法ですが、外れる心配などは基本的にしなくて大丈夫かと思います。耳の形に依存する部分はあるので、耳の形がちょっと変わってるかもという方は、一度試してみたほうがよいかもしれません。
想像以上に音漏れしない!
結構驚いたのが、想像以上に音漏れしないです。
イヤホン部分は空洞、耳元にスピーカーがある感じ、となるとガンガン音漏れしそうなイメージなのですが、むしろ、普通のイヤホンやヘッドフォンとより音漏れが小さい印象です。
骨伝導式というわけではないのですが、音の伝導方式には工夫がされているようで、自分にはしっかり聴こえるものの、音漏れはかなりしにくいです。
音漏れを気にする人にはむしろおすすめの製品です。
便利な使い方・機能の紹介
ここからは、本製品の大きな特徴「デュアルリスニング」や「ボイスアシスタントと音声操作」などを活用した便利な使い方を見ていきましょう。
音楽・英語をながら聴きで流しっぱなし
やはり、最も大きい機能の1つは「ながら聴きで流しっぱなし可能」ということ。
装着したまま周囲の情報取得や、コミュニケーションが可能なので、これまで必須だった「イヤホンをいったん外す」という行為が基本的になくなります。
外すのは、充電が必要な時、職場や家など明らかにイヤホンを使わない時、などのまとまった時間のときだけです。
これまで、主に安全やコミュニケーションのためにイヤホンを外していた、通勤中、犬の散歩中、自転車に乗っているとき、コンビニ等で買い物するとき・・などなどで外す必要がなくなりました。
そして、こういったときに外さなくてよくなって効果が大きいと考えているのが、英語のリスニング勉強。
英語のリスニング慣れのためには、いかに長時間英語に触れるかも重要かと思いますが、デュアルリスニングであれば、気軽かつ中断不要で、英語を流しっぱなしの環境に実を置きやすいというのが有効だと思います。
ぼくはコイツで英語マスターへ加速するつもりですっ。
デイリーアシストで情報をプッシュ通知
強力なのが、状況に合わせて情報を教えてくれる「デイリーアシスト」機能です。
上画像のような項目を、時間や状況に応じて勝手にお知らせしてくれます。例えば以下のような感じです。
- イヤホンを装着するだけで、あいさつと天気やニュース、音楽再生など
- 朝自宅を離れると、「いってらっしゃい」と現在時刻など
- 職場付近に着くと、「お仕事うまくいきますように」などの励ましと現在時刻など
- 夜自宅付近に戻ると、「もうすぐ家ですね」などの一言と次の予定確認など
- N時00分には、定期的に時刻通知
意外と馬鹿にできないのが、各所での時間通知。
出勤時は家を離れた時、職場付近に着いたときに、何時何分かわかる電車に間に合うか、遅刻しないか、といった確認が可能です。また、「18時です」といわれるだけで、「おっとそろそろ帰らないと」など時間の意識も高まります。
もちろん上記画像のように、未読メッセージ・不在着信も聞けたりと、様々な状況を知れて有用なこと間違いなしです。
LINE・SMSの送信・返信
本製品の大きなウリの一つでもある「LINEを音声で送ることも可能」という点もやはり便利です。
LINEは、Clovaアプリで設定した相手にのみ送信可能となります。音声で気軽に返信できる相手は、身内など限定された相手が多くなるので特に問題ないでしょう。
Clovaを呼び出すのは設定次第で簡易化できるので、おおよそ以下のようなやり取りでラインできます。
- (ユーザー)「ママにラインを送って」
- (クローバ)「ママですね、なんと送りますか?」
- (ユーザー)「これから帰るよ」
- (クローバ)「これから帰るよと送りますか?」
- (ユーザー)「はい」or うなずきジェスチャー
少しやり取りは発生しますがその分間違いも起きづらいです。
実際に送信してみたあとのLINEアプリ上の画面が以下です。
上画像のように、音声操作で送信した場合それが明示的にわかるようになっています。そして、2つめのメッセージのように、少し長めの文章でも問題なく認識します。
同様に、「Assistant For Xperia」からSMS(ショートメッセージ)の送信も可能です。
こちらは電話帳の名前で宛先指定できるので、はじめから任意の人に利用可能です。
これらは、一度体験してみると、簡単なメッセージは認識精度も問題なく、間違いなくスマホを取り出す以上に楽チンで便利です。
ただ、多分問題があるとしたら・・外で送信内容をいうという羞恥心だけでしょう。笑
通知、音楽、ナビ、アプリ起動、Androidとの連携が強力
Xperia Ear DuoはAndroid、iPhoneともに利用できますが、「Xperia」の名を冠することもあってAndroid端末との連携が非常に強力です。
Androidとの連携は基本的に、「Assistant For Xperia」を介して行います。上画像のような設定画面、以下のようなことが可能です。
- LINE、Twitter、GMail、SMSなど各通知(内容も)読上げ
- スマホ内保存音楽をアーティスト名などで再生
- Google Mapアプリでナビや地図表示
- 各スマホアプリを音声で起動可能
なんといっても、アプリ通知の読上げが強力で、LINEやメール、Twitterも通知時に内容を読み上げてくれます。そのため内容確認にスマホを開く必要がありません。
また、アプリによっては音声操作が対応済みで、既にGoogle MapやMusicアプリが利用可能です。
任意のアプリ起動も可能です。ただ、起動してもアプリの音声操作ほとんどできないので、現状はアプリ起動はあまり使い所はないですが、今後アプリが音声操作可能に対応していけば、便利になっていくこと間違いないでしょう。
SpotifyもLINE MusicもLINE Newsも家電も音声操作
冒頭でも触れましたが、GoogleのAI「Googleアシスタント」やLINEのAI「Clova」(iPhoneの場合は「Siri」)を利用することが可能なため、できることや好みに応じたサービス選択ができます。
それらのAIからしかできない以下のようなことが可能になるんですね。
- GoogleアシスタントからSpotifyを音声操作
- Googleアシスタントからメディア指定ニュース読上げ
- Googleアシスタントから家電を操作
- ClovaからLINE Musicを音声操作
- ClovaからLINE Newsを読み上げ
音楽再生では、「JPOPをかけて」「ゆずの曲をかけて」など様々な指定が可能になりますし、ニュースもClovaなら「ITニュースを教えて」のようにジャンル指定が可能、Googleアシスタントなら読上げメディア設定も可能です。
スマートスピーカーを所持している方なら、まさにスマートスピーカーを身に着けて外に持ち出せた、という感覚。家の中でも便利だったことが、外でも使えるのは便利すぎますね。
Xperia Ear Duoのレビューまとめ
以上Xperia Ear Duoのレビューと便利な使い所でした。
音楽の質にこだわって楽しむものではないですが、音楽をより身近に、そしてAIアシスタントによる利便性を身近にできる、間違いなくおすすめの製品です。
周囲の情報を損なわないことや、声という直感的なインターフェース操作、それぞれ近い将来当たり前になっている技術でしょう。
いずれくる便利な技術、人より早めに踏み込んでみてはいかがでしょうか。
より詳細にXperia Ear Duoでできることを以下の記事でもまとめています。合わせて参照ください。
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いじょうでっす。
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