これからは一家に一台は当然、そんなポテンシャルをもっている「スマートディスプレイ」。音声操作もできるディスプレイ付きスマートスピーカー端末です。
「OK Google」でお馴染みのGoogleから発売されたスマートディスプレイが「Google Nest Hub(グーグルネストハブ)」。
思ったより高くない1.5万円という価格。すでに発売済みの競合端末、Amazonの「Echo Show」やLINEの「Clova Desk」との比較するとどうなのか。
これらを踏まえてGoogle Nest Hubは買いなのか、何ができるのか、紹介していきまっす。
Google Nest Hub(グーグルネストハブ)とは
Google Nest HubはGoogleのAI「Googleアシスタント」が利用可能なスマートディスプレイ端末。
具体的に何ができるのかの前に、スタンダードなGoogleのスマートスピーカー「Google Home」との具体的な違いを確認しておきましょう。
以下がそれぞれの基本仕様です。
機種 | Google Home | Google Nest Hub |
---|---|---|
イメージ | Google Home | Google Nest Hub |
価格 | 税込 15,120円 | 税込 15,120円 |
スクリーン | なし | 7インチタッチスクリーン |
情報提供 | 音声のみ | ・音声 ・画像 ・映像 |
操作方法 | ・音声 ・物理ボタン | ・音声 ・物理ボタン ・タッチスクリーン操作 |
スピーカー | 音質○ | 音質△ |
大きさ | 96(幅・奥) x 143(高)mm | 179(幅) x 118(高) x 67(奥)mm |
Bluetooth | 入力 出力 | 入力 出力 |
Google Homeに対する主な違いは、タッチスクリーンがついてできることや情報量が大幅拡大ながら価格は同等、その分スピーカー性能は劣化、といったところ。
Google Nest Hubは「フルレンジスピーカー」という全域の音をカバーしたスピーカー1基を搭載したスピーカー構成。音質は悪くもないが良くもないといったところで、Google Homeよりは明らかに劣ります。
ただし、Bluetooth出力も可能なので、手持ちのスピーカー等を利用して、音質改善を図るといったことも可能です。
機能自体は、スクリーンがつくことで大幅に向上。通常は音声操作で、ちょっと複雑な要求はタッチ操作、などハイブリッドな操作が利用可能。画面表示があるので、情報の認識しやすさも格段に向上しています。
ということで、音質を多少犠牲にして、大幅に機能・使い勝手が向上したのが「Google Nest Hub」です。
音質はそこそこ程度ですが、使い勝手大幅向上ながら、1.5万円という比較的抑えめな価格、かなりおすすめのバランスの製品かと思います。
以下が製品紹介ムービーです。
Google Nest Hubでできること
ここからは、Google Nest Hubでできることを、他のスマートディスプレイAlexaの「Echo Show」やLINEの「Clova Desk」との比較も交えながら見ていきましょう。
Youtubeを簡単に再生
なんといっても大きいのが、Youtubeを音声操作でスムーズに利用可能なこと。
実はYoutubeはGoogle傘下のサービス、そういった事情もあって、例えばAmazonのAlexaやLINEのClovaではYoutubeを一言で再生とったことはでず、Googleの特権のようなもの。
音声操作は、「ヒカキンの動画見せて」といったざっくりとした要求は検索結果として候補が複数表示される形。そこからタッチや「1番目再生して」といった形で再生。
「HikakinTV(ヒカキンティービー)チャンネルを見せて」といったチャンネル名で指定すれば、最新配信動画がそのまま再生可能です。
一言、二言で好きなYoutube動画がサクッと再生できるのは、まさにGoogle Nest Hubだけの大きな利便性といえるでしょう。
できること | 音声操作例 |
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Youtubeチャンネルの再生 | 「Youtubeでヒカキンテレビチャンネルを再生して」 |
Youtube動画の検索 | 「セキロウの動画を再生して」→「1番目を再生して」 |
PV付きの音楽再生
「Youtube Music」によるPV(ミュージックビデオ)付きの音楽再生が可能です。
スマートディスプレイになって、音楽再生時には歌詞やCDジャケットまで表示できて感動したものですが、PVまで流れるのはさらに上をいっていますね。
現状、ミュージックビデオまで流せるのはYoutube Musicが利用可能なGoogle Nest Hubだけの機能でしょう。
一歩上の音楽再生環境が作れる魅力があります。
できること | 音声操作例 |
---|---|
Youtube Musicのビデオ再生 | 「Youtube Musicでマリーゴールドを再生して」 「米津玄師のミュージックビデオを再生して」 |
Hulu、Netflix、ビデオパスなどの動画再生
Googleアシスタントは、Youtube以外にも以下の動画配信サービスの音声操作に対応済みです。
- Netflix(ネットフリックス)
- Hulu(フールー)
- au ビデオパス
これらのサービスは、音声操作で動画再生/停止、早送りやエピソード送り等の動画中の操作も可能です。
Netflixのような様々な有料動画配信サービスでは、海外ドラマを途中まで見て、その続きを一声かけるだけでいつでも簡単に見れてしまうんですね。動画ライフが捗ること間違いなしです。
これらのサービスも、Amazon AlexaやLINE Clovaでは正式にサポートしていません(ブラウザ等からなんとか再生できるものもアリ)。これらをスムーズに利用したい場合もGoogle Nest Hubが非常におすすめとなります。
できること | 音声操作例 |
---|---|
Netflix動画再生 | 「Netflixでウォーキング・デッド再生して」 「Netflixで進撃の巨人再生して」 |
Hulu動画再生 | 「Huluでゲーム・オブ・スローンズ再生して」 「Huluで名探偵コナン再生して」 |
ビデオパス動画再生 | 「ビデオパスでウォーキング・デッド再生して」 「ビデオパスで化物語再生して」 |
動画再生中操作 | 「30秒早送りして」 「一時停止して」 「次の話にして」 「一つ前にして」 「止めて」※ |
Google Mapと連携した情報
「近くのドラッグストア教えて」
「新宿のビックカメラ教えて」
なんていったら、スマホでも使い慣れたGoogle Mapでしっかり地図が表示されます。ドラッグやピンチ操作などおなじみの操作も可能です。
移動手段に応じた経路表示も可能、スマホにも経路情報が転送されるので、そのままさらっとお出かけ可能です。
お出かけ前に家族で目的地を探して決める、なんてことが可能です。
Google Photosを使った写真表示(フォトフレーム化)
Google Photos(グーグルフォト)と連携して、簡単に写真の表示が可能です。
Google Photosは無料で無制限にバックアップ可能なクラウドストレージサービスです。なんと動画(10GB以下)の保存も無制限に可能です。
Google Photosは無料で無制限利用可能な代わりに、写真が圧縮される仕様になっているんですが、この圧縮は画像ピクセルサイズ自体は変わらず、高圧縮なアルゴリズムを適用しているだけ。すなわち、素人ではほとんど気づかないレベルの圧縮です。
なんといってもこれだけのことが完全無料というのが恐ろしいサービス。正直、最高の写真ストレージサービスかと思います。
そんな最強写真サービスGoogle Photosにスマホから簡単バックアップした写真を、場所などを指定して表示したり、待ち受け画面中にフォトフレーム化して表示することも可能です。
フォトフレームに表示する写真も、アルバムや、人物などを選択して設定できるので、むしろかなり高機能なフォトフレームとなっています。
かなりおすすめの機能で、高機能フォトフレームとしてだけでも、価格分の価値があるかなといったところです。
無料かつこれだけシームレスに写真が表示できるのはGoogle PhotosとGoogle Nest Hubの組み合わせだけでしょう。
できること | 音声操作例 |
---|---|
場所の写真表示 | 「札幌の写真を見せて」 |
フォトフレーム表示 | スマホGoogle Homeアプリ → Nest Hub端末の設定項目から設定 |
無料で音楽再生
Google Nest Hubだけに限るわけじゃないですが、Googleアシスタントは無料の音楽再生に多様に対応しているのも大きな魅力です。
無料で音楽を聴く方法として、以下があります。
- Google Play Musicの自前アップロード再生
- Youtube Music 無料プラン再生
- Spotify フリープラン再生
- AWA フリープラン再生
Youtube Music、Spotifyは、曲名指定などはできませんが、広告入りでフル尺で楽曲を聴くことが可能。AWAは、お試しのような形で好きな曲をショート再生だけ可能です。
どうでしょう、結構幅広く無料で音楽を聴く方法があるんですよね。
また、現状Google Nest Hubを新規購入した場合、Youtube Premiumが3ヶ月無料となり、これにはYoutube Musicもフル機能で使える権利が内包されているので、3ヶ月自由にYoutube Musicを使えちゃいます。
定額課金が多いこのご時世、最初に1.5万で購入さえしてしまえば、毎月のランニングコストなしに、音楽まで楽しめちゃうのは大きな魅力ですね。
Android等から動画や写真をキャスト再生
スマホの動画や写真、なんならスマホ画面そのままを、Gogle Nest Hub側に表示させることが可能です。
キャストという機能で、Android端末なら基本機能として備わっていますし、対応アプリはそれぞれ最適化してキャスト対応が行われています。
これまでも、GoogleのChromecast(クロームキャスト)というデバイスで、テレビなどにスマホの動画やYoutubeなどを表示することができましたが、同様にGoogle Nest Hubにも可能です。
こちらも合わせてチェック
ちょっと家族に写真や動画を見せたいときなど、意外と活躍する機能です。
インタラクティブな料理レシピ表示
料理レシピに関しては、専用の音声操作フローが用意されています。
各種料理レシピサービスを選択し、まず材料の確認、その後調理工程を1ステップずつ読み上げる、といったことが可能になっています。
一方的にレシピを再生しきって終わり、ということではなく、自分のペースで、1ステップずつ音声操作で進められるので調理中も扱いやすいでしょう。
レシピ機能自体が調理動画再生には対応していませんが、Youtubeなどでレシピ動画を選択して再生するといったことは可能です。
できること | 音声操作例 |
---|---|
調理レシピの読み上げ | 「オムライスのレシピを教えて」 →選択後「次のステップ」「前のステップ」など |
その他できること:あらゆることが情報可視化
ここまでは、特にGoogle Nest Hubだからこそできることをピックアップしてきました。
もちろんそれ以外にも、基本的な機能も画面がつくことで可視化され、使い勝手が大幅に向上しています。
↑は天気予報の週間表示。音声だけではすべてを聴くのは長いですし把握もしにくかった情報もざっと確認可能です。
↑はタイマー機能を使ったとき。一言でタイマーが使えるのは非常に便利なんですが、音声だけでは残り時間が確認が面倒だったのが難点でした。
画面表示があれば、気になったら見れば確認できますし、遠くから音声で残り時間確認も可能、快適さがグンと上がっています。
ほかにもスマートホーム操作や、スケジュール確認、検索結果など、あらゆる情報が画面可視化により、情報の認識しやすさが格段に上がっています。
これらがGoogle Homeよりも、格段におすすめする大きな理由といえるでしょう。
Amazon Alexa、LINE Clovaより優れる点とは?
ここからは、すでに発売済みの競合他社スマートディスプレイ端末との比較をメインにGoogle Nest Hubの利点・優れる点を見ていきましょう。
月額無料で使いやすい
意外と知られてない大きな特徴が、他機種より圧倒的に月額無料で使いやすいということ。
上述もしてきましたが、公式に無料で使える音楽サービスに幅広く対応。
写真ストレージ「Google Photos」も無料で利用可能で、便利なフォトフレーム環境も月額なしで構築可能です。
Amazon Alexaの場合、約月額500円のプライム会員となることで、写真サービス連携や、ちょっと曲は少ないですが音楽聴き放サービスも利用可能となります。
LINEでは、音楽を利用するならLINE Musicの月額課金が基本的に必要です(試聴は無料でも可能)。写真サービスは現状LINE Keepを利用する簡易的なもので、無料ですがGoogle Photosと比べるとまだまだ発展途上。
トータルして、月額無料でも基本的なサービスが幅広く使えるのがGoogleアシスタント端末「Google Nest Hub」というわけです。
スマホと様々に連携しやすい
他にない大きな強みなのが、Androidスマホと密に連携できること。
例えば以下のようなことが可能ですね。
- Google Nest Hub調べた結果をスマホに転送して確認
- スマホでも全く同じ音声操作でGoogleアシスタント操作
- スマホ画面を簡単にキャスト表示利用
総じて、Google Nest Hubでできることは、スマホ上のGoogleアシスタントでも同様に利用可能ですし、連携も可能。
家での気軽な音声操作環境と、常時確認可能なモバイル環境が、シームレスに連携利用可能、というわけです。
Youtubeとの親和性が高い
動画サービスの王様ともいえるYoutubeと密に連携できるのも大きな強み。
YoutubeもGoogleプラットフォームサービスなので、他社ではあまりに密な連携はできません。
Youtube自体はWebブラウザ上でも見れる特性上、他社スマートディスプレイ等でもブラウザを経由した表示は可能となっていますが、ブラウザであるためにタブレット等と同様のタッチ操作が必要です。
また、Youtube Musicの音楽再生に対応しているのは、Googleアシスタントだけ。Youtube Premium会員の方は是非使いたい音楽サービスですよね。
Youtubeサービスをしっかり活用したいなら、Google Nest Hub一択といったところです。
Amazon Alexa、LINE Clovaに劣る点とは?
ここまではGoogle Nest Hubのできること・優れる点を挙げてきました。
ではAmazon Alexa、LINE Clovaにはどういったメリットがあるんでしょう?
それぞれざっと確認して、自分にあった端末・サービスはどれなのか確認しておきましょう。
Amazon Alexaのほうが優れる点
Amazon Alexaのほうが優れるのは、当然ながらAmazonサービスとの連携部分です。
また、Amazon Echoはスマートスピーカーの先駆者的存在で、機種も多様かつ売上も現状Googleより上です。
ざっと優れる点を列挙すると以下の感じ。
- Amazon Echo機種が豊富
- プライム・ビデオの音声利用
- 音声でAmazon注文
- Kindle本読み上げ
- 他プライムサービス(音楽や写真)とも連携
総じてAmazonプライム会員には、かなり多機能で魅力的な機種かと思います。
これらの要素と、上述した「Google Nest Hubが優れる点」を見比べて、どれが自分にとって大事な要素か見極めて選ぶとよいかと思います。
以下でEcho ShowやAmazon Echoでできることを詳細に紹介もしています。
こちらも合わせてチェック
Amazon Echo Show(エコーショー)でできること ~高音質・大画面の最強機種、その活用法~
Amazon Echo(Alexa)でできること大全 ~音声操作一覧からスキル拡張まで~
LINE Clovaのほうが優れる点
LINE Clovaのほうが優れるのは、当然ながらLINEサービスとの連携部分です。
また、LINE ClovaはワールドワイドなGoogleやAmazonと違い、現状日本、韓国をメインのマーケットとしているので、日本の特にファミリー向け機能が豊富なのは特徴の一つです。
それを踏まえてざっと優れる点を列挙すると以下の感じ。
- LINEの音声操作
- LINE通話、ビデオ通話
- 赤外線リモコン機能に対応した機種
- 全機種バッテリー内蔵で持ち運び可
- 子供向けの童謡や昔話などの機能
なんといっても、SNSの最有力LINEと連携できるのが最大の強みで唯一無二。
他にも、スマートディスプレイ端末「Clova Desk」は赤外線リモコンも内蔵済みなので、ちょっと設定すればそのまま家電操作まで可能なのも大きな魅力。
Google Nest Hubでは赤外線リモコンを使うなら別のスマートリモコンのという機器が必要となります。
こちらも合わせてチェック
また、モバイルバッテリーつきで持ち運びできるのも他にない便利な機能。料理中だけキッチンに持っていったり、LINEビデオ通話時だけテーブルにおいたりと、フレキシブルに利用可能です。
写真ストレージサービスや、音楽対応サービスの幅広さなどで弱い部分もありますが、上述した日本の家庭を考えた独特な機能に大きな魅力のある端末です。
以下でスマートディスプレイ「Clova Desk」やClovaのできることを紹介しています。
Google Nest Hubのできることのまとめ
以上、Googleから発売となったスマートディスプレイ「Google Nest Hub」のできること、他社端末との比較でした。
実利用してみて、正直音質は物足りないですが、フォトフレームとしてかなり高機能でかざっていてついつい見てしまい、音声操作やタッチ操作も便利で、1.5万なら間違いなくおすすめの製品です。
今後音声操作、スマートディスプレイはどんどん当たり前になっていくでしょう。ぜひ早めに体験・導入してみてください。
以下でGoogleアシスタントやスマートホーム化についても紹介しています。
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