Google Home、Amazon Echo、Clovaといったスマートスピーカーは、手軽な音声操作で様々なことができて非常に便利ですね。
この「音声操作」と「様々な機能」の便利さに気づいた人は、この操作・機能をスマートスピーカーの基本仕様以上にもっといろいろできないかなぁ、考えてしまいますよね。
その第一歩がIFTTT連携。TwitterやGMailといったWebサービスと連携可能、例えば音声操作でツイート、メール送信できちゃいます。
IFTTT連携では、「音声操作でWebサービスを使う」ことがメインの機能。スマートスピーカーにしゃべらせたり、音楽を再生させたり、といったスマートスピーカーの機能を使うことは基本的にできないんですね(Clovaが一部例外あり)。
今回紹介する「GHKit Plus(ジーエイチキットプラス)」は、スマートスピーカーをしゃべらせる、さらにはスマートスピーカーの機能を使う、といったことを可能にする製品です。
具体的にできることとは何なのか、どういった活用方法があるのか、紹介していきまっす。
GHKit Plusとは
GHKit Plusは、Google HomeやAmazon Echo、LINE Clovaなどのスマートスピーカーに対して通知を行い、その内容をしゃべらせることを可能とするキットです。
前進のGHKitがGoogle Homeのみの対応だったのが、Bluetooth接続に対応したことで、Amazon Echo、Clova、他Bluetoothスピーカー全般に対応したことでGHKit “Plus”となりました。すなわち現在ではしゃべらせる対象はスマートスピーカーに限りません。
GHKit Plus(以下GHKitと略)の構成が以下です。
項目 | 内容 |
---|---|
開発元 | てとてとて合同会社 |
価格 | 19,440円 (プログラムのみ販売 10,800円) |
内容物 | ・プログラム済みSDカード ・Raspberry Pi 3 |
別途必要物 | ・しゃべらせたいスピーカー ・LANケーブル |
基本的な使い方としては、公式ページの通りで非常に簡単、要約すると以下のような感じです(詳細は公式参照ください)。
- スマホアプリのインストール
- LANケーブル接続状態でRaspberry Pi起動
- Google Homeは自動で検出、Amazon Echo等はBluetoothペアリングで検出
- 任意の音声をしゃべらせる、IFTTTやmyThingsと連携が利用可能
Google Homeはネットワーク上の端末を自動で検知(手動IP指定も可能)、ほかはすべてBluetoothで接続します。これで音声を転送する準備が整い、各スピーカーから音声を流す(しゃべらせる)ことが可能となっています。
IFTTTや、myThingsとの連携では、固有に振られたGHKitIDを使ってGHKitを識別して利用、特に難しい書き方等は必要ありません。
つまり、一切プログラム作業等は不要で、IFTTTやmyThingsと連携させてスマートスピーカーをしゃべらせることが可能となります。
IFTTTや、ヤフー提供のmyThingsは、各種Webサービスと連携できるプラットフォームですので、GPS(位置)情報、Twitter、LINE、Evernote、GMail、Calendar、ヤフー天気予報、ヤフーオークションといったサービスと連携してスマートスピーカーをしゃべらせることができます。
具体的な活用方法を以下で見ていきましょう。
GHKit Plusの活用方法紹介
GHKit活用方法①:通知を受けてスマートスピーカーをしゃべらせる
まずは基本的な使い方、通知をスマートスピーカーに読み上げさせる、しゃべらせる方法です。
GHKitは、IFTTT、myThingsといった、Webサービス同士を連携可能とする仕組みを使う準備があらかじめされています。(IFTTT、myThingsの詳細は以下などを参照ください。)
IFTTTについてはこちら
そのため、IFTTT、myThingsでできる通知(トリガー)内容は簡単に読み上げさせることが可能です。例えば以下のようなことが可能となります。
- 職場や学校エリアを出たら、「これから帰宅」としゃべらせる
- 直近雨が振りそうなら、「雨が振りそう」としゃべらせる
- 特定のキーワードのツイートがあったら、Twitterの内容を読上げ
- 特定の人やキーワードのメールがあったら、メールの件名読上げ
- カレンダーの予定に合わせて、リマインダー通知
上記のような内容を、プログラム作業不要、スマホやブラウザでちょっとした設定を入力するだけでしゃべらせることが可能となります。
GHKit活用方法②:スピーカーをしゃべらせてスマートスピーカーを使う
活用方法①では、Google HomeやAmazon Echoのサービスは利用できていません。
例えば、「Google Play Musicを再生する」、「Amazon Echoの定型アクションでスマートホーム操作を行う」、といったことはできません。IFTTTやmyThingsが、Google HomeやAmazon Echoの固有サービスを扱うことはできないためですね。
そこで、それらのサービスを使うための活用方法が、別のスピーカーにしゃべらせてスマートスピーカーを音声操作する、という方法。ちょっと原始的です笑。
これによって以下のような、現在スマートスピーカーで搭載されていないような機能を実現することが可能となります。
- 毎朝7時に、Amazon Musicの「朝聴きたい曲」を再生(目覚まし音楽)
- 家の近くのエリアに入ったら、リビング(ライトやエアコン)をまとめてオン
- 聴きたいラジオの時間になったら、ラジオをかける
- 朝出発する直前の時間に、自動で交通情報系を読み上げる
それぞれ適した内容を別スピーカーから発声させることで、上記のようなことが可能となります。
原始的な方法ではありますが、音声内容は何にでもできるので、かなり細かい調整・指定まで可能です。音楽再生時に自分の作ったプレイリスト指定や、ラジオチャンネルの指定も簡単です。
他にも、スマートホーム操作でIFTTTに非対応の「スマート家電コントローラ」といった機器も、ちょっとしたIFTTT連携操作が可能になりGPS連動操作も可能になりますね。
しゃべらせるためのスピーカーが別途必要な難点はありますが、非常に応用の効く活用法です。
GHKit活用方法③:ボイスメッセージ送信
GHKitのちょっと細かな便利機能として、ボイスメッセージ(10秒まで)が送れる点があります。
GHKitスマホアプリでは、音声の録音が可能、それをそのままGHKitの出力先のスマートスピーカーやBluetoothスピーカーでしゃべらせることが可能です。
ボイスメッセージ機能は、一般的なメッセンジャーアプリでもありますが、なかなか自動で読上げはしてくれませんよね。
「ちょっとした連絡に、スマホで文字を打つのが面倒」「自分の声のニュアンスでしゃべらせたい」といった要望に対応する機能が搭載させています。
GHKit活用方法④:自分でプログラムしてIoT制御
最後に、玄人、エンジニア向けの活用方法が、「自分でRaspberry Piを使ってIoT制御プログラムを組むこと」です。
GHKitの中身は、Raspberry Piという小さなコンピュータと、スピーカーに音声を出力するためのプログラム済みSDカード、でしかないです。
Raspberry Piはもちろんそのまま自分で自由に別途活用可能です。Raspberry Piは、HDMI端子やUSB端子が搭載されており、モニター、キーボード、マウスを接続することで小さなパソコンとして普通に利用できます。
そして、プログラム済みのSDカードに、パソコンとして動かすためのOS(専用Linux)と、音声送信プログラムが入っているという構成です。本製品でもOSにログインしてそのまま利用可能です。
Raspberry Piはピン接続で外部デバイスとつなげて拡張も可能、小さなパソコン上でプログラム制御したりすることで、自作のIoT制御活用も可能。
つまり、Raspberry Pi本来の電子工作もそのままできる、という活用方法となります。やる気次第でなんでもできますね。
GHKit Plusをお得に購入する
GHKit Plusは、大きな内容物としては以下の2つです。
- Raspberry Pi 3 Model B(純正ケース付き)
- 音声通知プログラム済みSDカード
そして、購入方法としては、2のプログラム済みSDカードのみを10,800円で購入することも可能です。2つのセットの場合が19,440円となります。
ということで、1のRaspberry Pi本体の価値は、
19,440円 – 10,800円 = 8,640円
となるわけですが、Raspberry Pi 3の市場価格は、ケース付きでおおよそ6,000円前後↓です。
↓こちらはケースなしのもの。
というわけで、GHKit Plusはプログラムのみを購入して、それを動かすコンピュータ「Raspberry Pi」は別途購入したほうが約2,500円以上お得に購入することが可能です。
僕はセット品を購入してから市場価格に気づいたので、なかなか悲しい気持ちに・・。情弱は損するので気をつけましょう。
もちろん、別途購入する手間、セットで動作が保証されている安心感やサポート、などがなくなるので、面倒な方、不安な方で2,500円程度惜しくない方はセットで購入しましょう。
GHKit Plusの活用方法まとめ
以上GHKit Plusの活用方法紹介でした。
プログラム不要で様々な通知(トリガー)をスマートスピーカーでしゃべらせられる気軽さ、音声を使うことで広がるスマートスピーカーの活用法、そしてやる気次第でプログラム制御・勉強教材にもできる、といった幅広い活用法が魅力かと思います。
これからますます盛り上がっていくであろうIoT制御、簡単にでも、勉強がてらにでも、GHKitをきっかけとして始めて見るのはいかがでしょうか。実際の活用法以上に、きっかけ作りとしても重要なプロダクトかと思います。
以上でっす。
コメント